50gの携帯浄水器
伊藤光太さんが、4年間の試行錯誤の上、集めた「世界対応」の装備。
少しずつ紹介していきますね。
まずは水の確保が肝心です。
で、わずか50gの携帯浄水器というシロモノです。
バックパックで背負う荷物の中で、大きな比重を占め、
尚且つ無くてはならないもの……それは「水」です。
人間が一日に必要な水の量は、登山の場合、
食物中の水分も含めて1.5リットル程と言われているそうです。
1泊2日の山行なら、単純計算3リットル!
重量にして3キロとなります(個人的には、丸々2日間、
山に居る訳ではないので、2.5リットルあれば十分かな、と思っています)。
安全な水場が確保されているのなら、現地調達で荷を軽くするのも手段の一つです。
しかし、山によっては水場のないところもありますし、自然環境ですから、
常に同じ状態であるという保証はありません。
そこで携帯浄水器や薬品などを持つ訳です。
ルトラライトハイキングの本や有名ブロガーさんたちが紹介しているので、
日本でも有名だと思います。性能そのものも、
水に溶け込んだ有害な金属や放射性物質を
除去できるという他の浄水器には無い特色を持ちます。
ただ・・・
どうせ買うのなら、まだあまり紹介のされていない製品を使いたい。
汚染されているような状況で山に登ることはないだろうと思いました。
もう一つ加えると、セイシェルのフィルター寿命とか、
嵩張りや重さ、値段が気になりました。
今回紹介するソーヤー・ミニは、まず値段がセイシェルの約半分です。
重さは本体が実測47グラム。
付属の水筒を含めても70グラムを越えません。
水に溶け込んだ金属や放射性物質は除去できませんが、微生物や病原体の除去率は引けをとりません(細菌よりも微細なウィルスは除去できない)。
素晴らしいのは耐久性です。
最大濾過量は100,000ガロン(=約378リットル)と
セイシェルとほぼ変わらないものの、
フィルターそのものの耐久性が低いので、
水を逆流させて目詰りを取り除くことが出来ませんが、
ソーヤー・ミニは可能です。
付属のポンプでフィルターを掃除する事ができるので
少々のゴミが目詰まりしても洗浄して再び使う事ができます。
自分のお腹が精神的に弱かったので、中々、踏み出せなかった製品でした。
ソーヤー自体の存在そのものは、
バックパッカーエディターチョイスを受賞したことで知っていたのですが、
セット内容が充実している反面、
価格がセイシェルと変わらなかったので、
購入できずにいました。
今回、安価でより軽量なモデルが登場したので、購入に踏み切りました。
実際のテント泊でも使用しましたが、水が無いと、凄く荷が軽くなります。
紹介したソーヤー・ミニは、本体そのものも軽量です。
水場の水が枯れているかも知れない時や、
存在があやふやな時など、必要最低限の水は登山口から担いで、
フィルターも一応持っていくという場合でも、重量的に負担になりません。
僕は、エマージェンシーとして、どの山にも持って行こうと思います。